自然大学15期　森林生態系と動物及び熱帯林と林産物 　2009/12/20
　今回の座学は、渡辺弘之先生。森林生態系の重要な担い手の土壌動物を代表して「ミミズ」、熱帯林と現地住民の自立のための非木材林産物について、盛りだくさんの楽しい講義でした。

　只木学長から、渡辺先生にとっても恩師である四手井綱英先生が１１月末に永眠されたこと、最後の著作となった「これからの日本の森林づくり」の紹介がありました。

　渡辺弘之先生。ミミズや虫やいろいろなものが大好きな楽しい先生です。

最初は、「あなたはカイガラムシを食べている。」

　ゴミ袋の中身は、出てくる出てくる、全部ゴミ！・・かと思ってしまいました。（失礼）
　

　さまざまなお菓子や食べ物に、着色料として使われている。このチョコレート菓子には、ひっつかないようにコーティング材として使われています。薬（糖衣錠）にも。
　これが、その原料となるもので、ラックカイガラムシが付いた小枝、「スティック・ラック」。
 　利用の極めつけは、「カニかまぼこ」。赤色着色料である。
　東南アジアでは、ラックカイガラムシを街路樹や山の木に放して育てている。
 　収穫は枝ごと切り落として行う。
　集められた枝
 　工場に運ばれ、産地や樹種ごとに集積される。
　手作業による選別。不純物を取り除く。
 　最後に乾燥させると、「シード・ラック」となる。
　シード・ラック。渡辺先生著作の、「カイガラムシが熱帯林を救う」に詳しい。本では白黒写真であるが、カラースライドで見せていただけて感激！！
 　タイの市場には、カラフルな色のお菓子が並ぶ。　
　休憩時間。皆さん、熱心に何を見ているのでしょうか。
 　渡辺先生を質問責めの生徒さんたち。
　シード・ラックのかたまり。これだけ見ると、なにか鉱物のようだ。持ってみると意外と軽い。 　このあとは、ミミズの話と、熱帯非木材林産物について講義があった。
　講義の中で、熱帯林を破壊して作られたプランテーションからの産物（パーム・オイルなど）もたくさんある。「天然の素材」だから環境に優しいと思いこんではいないだろうか。そうではなくて、森林を残しながら、そこからとれる産物が現地の人の現金収入になるような取り組みが必要ということを強調されていた。